日銀総裁人事は最終局面、武藤氏を中心に絞り込み進む=関係筋

日銀総裁人事は最終局面、武藤氏を中心に絞り込み進む=関係筋
2月15日、複数の関係筋によると、政府が最終調整している次期日銀総裁人事について、武藤敏郎・大和総研理事長を中心に一段と絞りこみが進んでいるとみられる。都内の日銀本店で2008年11月撮影(2013年 ロイター)
[東京 15日 ロイター] 複数の関係筋によると、政府は、最終調整している次期日銀総裁人事について、武藤敏郎・大和総研理事長を中心に一段と絞りこみを進めているとみられる。
政府は3月19日に退任する白川方明総裁と、2人の副総裁の後任の人事案を月内にも与野党に提示する方針だ。これまで武藤氏のほか、黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁や岩田一政元日銀副総裁、岩田規久男・学習院大教授、竹中平蔵・慶応大教授らが総裁候補にとりざたされてきた。
大胆な金融政策を望む首相周辺では、新たな発想で金融政策に取り組むことができる候補を推す声もあった。ただ急激な円安に対する国際的な批判が高まり、日米欧7か国(G7)が12日に緊急共同声明を出すなど、外債購入など急激な円安誘導になりかねない過度に大胆な金融政策は打ち出しにくい国際環境になりつつある。また、政府内では、「学者がいきなり組織の長をやるのは大変」(麻生太郎財務相)との声があるほか、ここにきて、一部関係筋からは民間出身の候補者の起用はあり得ないとの指摘も出ている。
安倍晋三首相は次期日銀総裁について「デフレ脱却に向けた金融政策に関する私の考え方を理解し、確固たる決意と能力でその課題に取り組む人を選びたい」としてきた。出身母体については問わないとし、「財務省出身の人が全部だめという論理はおかしい」と明言。さらに「国際社会に発信できる能力が極めて重要」とも発言している。
政府はさらに人選を進め、月内にも同意人事を提示する方針。菅官房長官は14日、「事前報道ルールの見直しが正式に同意された時点で、私たちの考え方を申し上げたい」と話している。
*内容を追加して再送します。

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